私たちは、ある日こんなことを話した(5)

とある日の短い雑談。ピアハウスしょうわにて。
(ご本人の了承を得て掲載します)

永嶋:なんかいつもと違いますね。アイブロウしてるとか?

Aさん:してない

永嶋:おかしいな。どこか違う

Aさん:むしろ、眉毛剃ったらまつ毛まで剃ったっていう悲惨な結末に

永嶋:え(笑)知り合いに片方の眉毛を誤って剃り落としちゃって、仕方ないからもう一方の眉毛も剃り落とした奴がいましたけどね(笑)ああ、じゃ多分眉毛ですね。すごくいいですね

Aさん:ありがとうございます。「いいよー、いいよー、すごくいいよー」みたいな感じ?

永嶋:なんだそれ(笑)グラビアカメラマンじゃない(笑) 前、Yさん(男性)をここに寝そべらせて「いいよー、いいよお」て言ってたら、親指噛んでポーズとってくれましたよ

Aさん:きっもー!

中略

(行き始めたバイト先の話になり)

Aさん:(バイト先の先輩は)言い方はきついですよ。たぶんここ(ピアハウスしょうわ)の人は大半泣くんじゃないかってくらい

永嶋:うんうん

Aさん:だけど、なんとか……

永嶋:すごい一歩を踏み出しちゃってません?

Aさん:言い方はきついけど、いいおばさんで

永嶋:Aさん自身が、なんかそういうのを受け止める力があるんですよね

Aさん:私が昔、現役でバリバリ働いてたときに、下を育てる立場だったから、その先輩の気持ちもわかるんですよ

永嶋:あー、なるほど

Aさん:教えてるのに、聴いてんだか聴いてないんだかわかんない態度とったりとか、二度も三度も同じこと言わなきゃならない人とかいると正直キレますし、そうなっちゃったこともあるから、だから

永嶋:その経験があるから分かるわけですね

Aさん:そうですね

永嶋:やっぱりAさんすごいですね

Aさん:何がすごいんですか

永嶋:なんだろう。そういう人としての幅の広さがあるというか

Aさん:幅?横?(笑)

永嶋:横か縦か知らないけど(笑)杓子定規でもないし、どっか人に共感する能力が高いじゃないですか

Aさん:そんなことないですけどね

永嶋:今日は何時間働いたんですか?

Aさん:ええと朝の7時半くらいに家を出て職場に着いたのが8時ちょっと前で……午後1時までやってた

永嶋:ほー

Aさん:すごくないですよ、だって普通の人は8時間とか9時間とか働くし

永嶋:だってブランクがあるのに

Aさん:まあね。病気でのハンデもあるし

永嶋:で、すごいのが、一回アクシデント(怪我)があって開始日を伸ばして、それでも行ったのがすごいですよね

Aさん:うーん、それは目標ができたってことも大きな要因ですよね

永嶋:目標と言うと、例の?

Aさん:そう、チケットが取れたっていう

永嶋:なんのチケットでしたっけ?

Aさん:まあいいじゃないですか、そこは。私の恋の邪魔をしないで!

永嶋:(笑)邪魔してないじゃない(笑)チケット買っていくのは恋なのかよ(笑)

Aさん:恋ですよ

永嶋:恋なの?(笑) 同居してる彼氏はどうなるんだよ(笑) まじめな話、チケット買って東京行くという目標ができたから?

Aさん:東京のイベントに行くっていう目標ができたし、職場の先輩にもかわいがられたっていうのもあるし、その先輩から「仕事中言い方きついけど悪く思わないでね」って言ってもらえたのもけっこうでかくて

永嶋:うんうん

中略(職場の労働法規に関することなので自主規制で載せず)

永嶋:でも、これすごいことなんですよね、我々にとっては。仕事に行き続けるって。ここんとこすごいこと連発してますね

Aさん:ん?

永嶋:長年の汚部屋も片付けちゃったし

Aさん:部屋も相変わらずきれいですよ。今日も雨降りそうだから洗濯物とりこんで来ましたからね

永嶋:うん。しかしまさかここまで人としての魅力にあふれる方だとは思いませんでしたね、電話で最初にお話したときは(笑)

Aさん:お電話で何話しましたっけ?

永嶋:いや、(ピアハウスしょうわの)開館時間が午後1時から午後9時までだと伝えたら「はああああっ??!!!」って驚かれて(笑) で「普通の会社と同じじゃないですかああっ!」ってキレられて(笑) 「いや、ここはただ遊びに来るだけのとこだから好きな時に来て好きな時に帰って下さい」と説明しなければならなかったという(笑) なんか作業所みたいなとこをイメージされてんのかなあって思いました

Aさん:ああ、それはありましたね

永嶋:やっぱり人間てお互いをよく知らないと、思いこみで判断してしまいますね

Aさん:そうですね。見た目とか思いこみとかね

中略(以後、永嶋がAさんから、おぼえた仕事の手の動きをレクチャーしてもらう)

Aさん:もうしばらく回転寿司とか見たくない

永嶋: ……なんで回転寿司?(笑)

Aさん:回転寿司みたく流れてくるんですよ桃が

永嶋:ああ、ベルトコンベアで

Aさん:そう。だからもういいみたいな

永嶋:回転寿司はいいじゃないですか食うだけだから(笑)

Aさん:もう回ってるの見るのも嫌

永嶋:大変ですね。一日何個くらい桃を?

Aさん:数えてはないけど……

永嶋:大変だったねー

(中略)

Aさん:でも、そのおばちゃんにあんまし良くされても、期間工だから辞めるときにつらくなっちゃうかもしれないと思って

永嶋:ああ

Aさん:仕事ができるようになってきてフランクに喋れるようになってきたら、期間工だから辞めるときつらいよねって思った

永嶋:うん……送別会

Aさん:送別会って言ってもみんなどこから来てるか分からないしね

永嶋:うん

Aさん:チャリで通っている人もいるし……送別会とかやってるパワーもなさそうだし、おばさん

永嶋:そう

Aさん:うん

永嶋:なんか今日、顔が違うのは眉毛のせいだけじゃないかもしれないですね。いい表情してる気がします

Aさん:桃にかぶれたんじゃないですかね

文・永嶋


[ 私たちは、ある日こんなことを話した(5) ]私たちは、ある日こんなことを話した2016/06/26 00:56